参拝はもともと「ひとりで神様と向き合う時間」。この神社は特に、平日の午前中は境内に人がほとんどいないため、自分のペースで十二支参りをしたり、静かに佇んだりできます。正座して手を合わせるも、縁起の良い場所で深呼吸するも、誰にも急かされない自由さがあります。神社に慣れていない方でも境内がコンパクトなので迷わず回れます。
境内に足を踏み入れた瞬間、空気が変わります。
鳥居をくぐると、市街地の音がすっと消え、冴えた静けさに背筋がぴんと伸びる。有名観光地のような派手さはありません。お土産屋もお食事処もない。それでも、ここには確かな「格」があります。
勝沼ICから5分。なのに観光バスがほとんど来ない。それが、甲斐国一宮 浅間神社の穴場たる所以です。
平安時代から続く、甲斐で一番格式の高い神社

国道20号沿いに面した大鳥居が目印
甲斐国一宮 浅間神社の創建は西暦865年。平安時代の公式記録に名を連ね、朝廷から認められた由緒ある神社です。
「一宮(いちのみや)」とは、その地域で最も格式が高いとされた神社のこと。山梨(甲斐国)の中でトップに位置づけられた神社が、この浅間神社です。境内は決して大きくありませんが、格式は山梨屈指。その落差が、この神社の面白さでもあります。
ご祭神|木花咲耶姫命のご利益

木花咲耶姫命(コノハナサクヤヒメノミコト)は、花が咲くような美しさを持つ女性の神様です。
天孫・ニニギノミコトに見初められ結婚したことから縁結びと美の神、燃える炎の中で無事に出産したという神話から安産・子宝の神として信仰されています。
火の試練を乗り越えた芯の強さを持つ女神は、華やかさとたくましさを兼ね備えています。美しいだけでなく、どこか人間くさい。そんな親しみやすさも、この神様が長く愛されてきた理由かもしれません。
全国1,300社の浅間神社と、何が違う?
浅間神社と聞くと、静岡の富士山本宮浅間大社を思い浮かべる方も多いかもしれません。全国に約1,300社ある浅間神社の総本社で、規模と知名度では圧倒的です。
甲斐国一宮 浅間神社は、歴史と格式はトップクラスでありながら、観光バスがほとんど来ない穴場。**平日の早い時間は境内に全く人がいないこともあり、凛とした静けさをひとりで味わえます。**知る人ぞ知る場所を訪れた、という充実感がある神社です。

祓門と十二支参り|境内の奥に潜む小さな探検
本殿のお参りを終えたら、右手の境内奥へ進んでみてください。
人の形にくりぬかれた不思議な石の門「祓門(はらいもん)」があります。くぐると厄祓いができるといわれる、ちょっと不思議なスポットです。

その奥には、可愛らしい十二支の石像が並んでいます。

ひとつひとつ順番にお参りするもよし、自分の干支だけ手を合わせるもよし。静かな境内で、自分なりのペースで巡ってみてください。
4月15日「おみゆきさん」|日本でも珍しい例大祭
毎年4月15日、浅間神社の例大祭「おみゆきさん(甲斐国一宮浅間神社大神幸祭)」が開かれます。
女性の神様を祀るこの神社ならではの風習として、女性の長襦袢を着て白塗りした男たちが神輿を担ぎ、「ソコダイ、ソコダイ」という掛け声とともに町中を練り歩きます。主祭神・木花咲耶姫命が嫉妬しないようにとの言い伝えに由来するもので、神輿の下をくぐると子どもが健やかに育つとも伝わります。

例大祭の様子
いつもは静かな境内が、この日だけは人で溢れかえり、周辺には縁日が立ち並びます。4月に山梨を訪れるなら、例大祭(4月15日)に合わせて賑わいを楽しむか、翌週以降に静かな境内を味わうか——どちらもそれぞれの魅力があります。
御朱印|3種類から選べる、全国一宮めぐりにも対応
御朱印は3種類。①通常の浅間神社御朱印、②奥宮にあたる山宮神社の御朱印、③毎月デザインが変わる今月限定の御朱印があります。各500円。①②は直書き・書置きどちらも対応、③は書置きのみ。
御朱印帳は2,000円(朱・紺どちらか選択可)。全国一の宮めぐり専用の御朱印帳も取り扱っており、一宮巡りをしている方にもおすすめです。支払いはPayPay可。

※掲載の料金は取材時のものです。最新の情報は公式サイトをご確認ください。
アクセス Access
【車】 中央自動車道・勝沼ICから約5分。参拝者用無料駐車場あり。例大祭(4月15日)や年末年始は近隣施設からの無料シャトルバスが運行。 【電車・バス】 JR中央本線「山梨市駅」からタクシーで約10分。 中央高速バス「一宮停留所」下車、徒歩約10分。 ※駅からのアクセスは不便なため、車がおすすめ。