館内は常にゆったりとした雰囲気で、混雑することがほとんどありません。土偶や土器をひとつひとつのペースで眺めながら、縄文時代に思いを馳せる時間は、ひとり旅の醍醐味。60〜90分でサクッと回れるコンパクトさも、計画を立てやすくて◎。春なら桃畑の中のベンチで草もちを食べながらひと休み、という贅沢な時間が待っています。
高速道路のパーキングエリアから、徒歩2分。そこに、全国屈指の縄文遺跡の博物館があります。
「釈迦堂遺跡博物館」は、出土品総数5,599点・すべてが国の重要文化財という、規模から考えると驚くほど知られていない穴場スポットです。所要時間は60〜90分。桃畑に囲まれた静かな空間で、頭と心を静める時間が待っています。

出土品の量と質が全国屈指
規模が小さいからと見過ごしてしまいがちですが、釈迦堂遺跡博物館の出土品の量と質は、実は全国屈指なのです。
出土品総数5,599点。そのすべてが国の重要文化財に指定されています。
なかでも1,116点を占める土偶は、一つの遺跡からの出土数としても全国屈指の規模を誇ります。また、妊娠の様子を表した土偶など、学術的にも貴重な展示が並びます。

ひとつひとつ表情の異なる造形を、じっくり眺める楽しさも魅力です。
発掘のストーリーがおもしろい
なぜ高速道路のパーキングエリアに博物館が隣接しているのでしょうか?
これは、この釈迦堂遺跡博物館そのものが、中央自動車道建設にともなう発掘調査で発見された遺跡だからです。
つまり、道路建設のために地面を掘っていたら、想像以上に多くの遺跡が見つかった、というわけです。
当時の自治体は、地元の人たちを集め、本格的な発掘調査を始めました。
実は、わたしの母もこの発掘に参加しています。
そんな興味深い発掘のストーリーや調査のプロセスも、展示を通して分かりやすく紹介されています。

春の山梨観光の穴場|ぜひ、桃の花の季節に来てみよう
釈迦堂遺跡博物館で縄文時代の土器を堪能したあとは、周囲の景色にも目を向けてみてください。
おすすめのシーズンは、桃の花が満開となる3月下旬から4月上旬です。
桃や桜を見ることができる、山梨県の多くの観光スポットが観光客で賑わう中、ここは比較的静かに花々を楽しむことができる場所。人混みを避けて、ゆったり春を味わいたい方にぴったりです。
博物館の敷地内には、桜を楽しみつつ周りの景色を一望できる芝生の公園や、一休みできるベンチがあります。

実際に、家族でピクニックをしながら、のんびり景色を楽しんだこともあります。
春季限定!駒沢農園さんの手作り草餅でほっこりティータイム
釈迦堂遺跡博物館駐車場に隣接する「駒沢農園」さんでは、毎年春になると期間限定の売店がオープンします。

有名なのは、よもぎの香りがふわりと広がる手作りの「草もち」。
こぢんまりとした敷地内には、満開でこぼれんばかりの桃の花が咲いています。畑の中にはベンチもあり、ゆっくりとティータイムを楽しめます。
なお、こちらでは花桃の枝もお土産に販売しています。帰宅後も、部屋に飾った桃の花を眺めながら、桃畑で過ごした静かな時間の余韻に浸る——そんな楽しみ方も、この場所ならではです。
「まるで桃源郷」周囲の桃畑を散策
見ているだけでは少し物足りない、という方は、釈迦堂遺跡博物館の駐車場裏手にある出入り口から、桃畑の間をふらりと散歩できる小さな歩道を歩いてみてください。
歩道沿いには、薄ピンクの桃の花に加え、鮮やかな黄色の菜の花、さらに白や濃いピンクの花桃も咲き乱れ、わたしたちの目を楽しませてくれます。
また、博物館から徒歩で5分ほど登ったところには、「駒沢農園」さんの第二農園があります。

桃畑と菜の花の咲き乱れる園内は、まるで桃源郷。現実を離れ、別世界を歩いているような感覚になります。
(ここを案内したとき、友人が「なんか向こう側に天国のおばあちゃんが見えてきそう」とつぶやいていました)
また、ここから見下ろす甲府盆地の風景は、山梨の中でも指折り数える、知る人ぞ知る絶景です。

縄文の土偶に見入り、草もちを頬張り、桃畑の中を歩く。この三つを一度に体験できるのが、釈迦堂遺跡博物館の春の贅沢です。山梨観光のルート上で、3月下旬〜4月上旬に立ち寄る場所として、ここ以上のコスパはなかなかありません。
アクセス Access
【高速道路からのアクセス(最もおすすめ)】 中央自動車道「釈迦堂下りPA」から専用階段で徒歩約2分。高速を降りる必要なし。 中央自動車道「釈迦堂上りPA」からは徒歩約10分。 【車で一般道から】 中央道・勝沼ICから約5分(東京方面) 中央道・一宮御坂ICから約15分(長野方面) 無料駐車場あり(春季は午前中推奨)